行基が開いた草野仙房(かやのせんぼう)という草庵に始まる竹林寺は、鎌倉時代の建立ですが、明治の廃仏毀釈で廃寺同然となりました。本堂の傍らに廃仏毀釈で散逸した結界石(寺域と俗界を区切る標識)を集めた4基の石柱が立っています。1997(平成9)年に唐招提寺によって再興整備され、本堂に行基が信仰した文殊菩薩騎獅像(本尊)や行基菩薩坐像などが安置されました。
 行基の残した事績は、社会事業や民衆救済など枚挙にいとまがありません。東大寺の大仏造立にも尽力して大僧正に任ぜられました。功績を讃えた顕彰碑の碑文をよむとその遺徳がしのばれます。
 親孝行でも知られ「山鳥のほろほろと鳴く声聞けば父かとぞ思う母かとぞ思う」という歌からは、父母に対す熱い思いが伝わってきます。
 749(天平勝宝元)年2月2日に81歳の生涯を閉じました。その墓は遺命により竹林寺にあります。終焉の地を生駒・有里の地としたのは生駒山の霊性に惹かれたとも伝えられています。毎月命日の2日には本堂で法要が営まれています。         
 
【奈良まほろばソムリエの会 津山進】 
 
 
 ■宗派 律宗
 ■住所 生駒市有里町211-1
 ■電話 0742-33-7900
 ■交通 近鉄生駒線一分駅から南西へ徒歩約15分
 ■拝観 問い合わせは唐招提寺へ
 ■駐車場 有(無料)
  
  
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