やまと百寺めぐり
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第24回 2019年09月26日掲載
石像が語りかける山寺  壷阪寺(高市郡高取町)


全長20メートルの天竺渡来大観音像=高取町の壷阪寺で

 正式には南法華寺で、壷阪観音ともいわれます。703(大宝3)年に元興寺の弁基上人が建立したと伝わる西国三十三所の第六番札所です。本尊は寄木造の十一面千手観音菩薩坐像で「目の観音様」として信仰されています。
 壷阪寺では多くの石像と出会うことができます。最大は天竺渡来大観音像で全長20メートルの立像、インドでのハンセン病救済事業のご縁で招来されました。大涅槃像は全長8メートル、大釈迦如来像は身丈10メートルの座像で、いずれも陽光に白く輝いています。
 ほかには、めがね供養観音、有名な「お里澤市像」や地蔵、明王、福神、そして愛らしい童子など大小さまざまな石像が、広い境内一円に点在しています。またインドのアジャンタ石窟寺院をモデルとした大石堂や長大な佛伝図レリーフもあります。本堂東北の香高山(こうこうさん)に足を延ばせば、斜面の岩肌にある歴史を刻んだ五百羅漢の石仏群にも会えます。
 石像と対面し、石の言葉に耳を澄ませば、静かに時が流れゆく山寺です。

【奈良まほろばソムリエの会 大江弘幸】



■宗派 真言宗
■住所 奈良県高市郡高取町壷阪3番地
■電話 0744-52-2016
■交通 近鉄吉野行壺阪山駅下車、バス「壺阪寺前」下車すぐ
■拝観 8:30〜17:00
■駐車場 有(500円)



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