菅原の里にたたずむ喜光寺(古くは菅原寺)は721(養老5)年、行基によって創建されました。 
 1990(平成2)年に、本山・薬師寺の故高田好胤(こういん)管長の命で着任した山田法胤(ほういん)住職が寺の復興のために考案したのが「いろは写経」でした。 
 「いろは歌」は『涅槃経(ねはんぎょう)』をもとにした替え歌です。訳すと「美しい色の花もいずれは散ってしまう。誰か永遠である者はいるだろうか。欲望という深い迷いの山を今日越えて。浅はかな夢に迷わず酔いには浸(ひた)るまい」。変化するものの世界に執着する心を超え、今日を懸命に生きていきましょう、という教えだそうです。 
 この歌を中心とした二百文字たらずの「いろは写経」は、今年から新たに「ぬり絵」でもできることになりました。(郵送も可。詳しくは喜光寺まで) 
 5月末に、本尊の阿弥陀如来坐像(平安時代後期・重要文化財)の保存修理が完成。引き続き、光背・台座の修理が行われています。また、来年創建1300年記念事業として「佛舎利殿」が建立される予定です。 
 今、気品のあるハスの花が美しく咲いています。午前中に花はひらき、午後にはとじるので、朝がオススメです。 
 
【奈良まほろばソムリエの会 会員 増田優子】 
 
 
 ■宗派 法相宗
 ■住所 奈良市菅原町508
 ■電話 0742・45・4630
 ■交通 近鉄尼ケ辻駅より徒歩約10分、近鉄大和西大寺駅より徒歩約20分
 ■拝観 9時~16時半、500円
 ■駐車場 有(無料)
  
  
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