鬼に訊けー宮大工 西岡常一の遺言ー

標記のドキュメンタリー映画が上映中です。
大和郡山 シネマサンシャインにて 3月1日までです、お急ぎくださいね。
大阪は 第七藝術劇場で4月14日からです。
西岡さんのインタビューを中心に構成されていて、木造建築への情熱、千年もたせる建築に携わる凄まじい意気込みに感じ入ります。
槍カンナに手斧、昔の道具を復元しただけでなく、その当時の技術までも後世に負けていないものであること、ご自分の大工としての仕事を通して証明されていたのですね。
映画にはでてきませんが、西岡さんの逸話をひとつご紹介します。
これは昭和53年、文化財保存技術保持者として、写真家・入江泰吉さんと共に県の表彰を受けられた式典でのことです、その場に教育委員長として臨席していた知人の話です。
当時の奥田良三知事より表彰状を受けられる際、西岡常一さんの名前が呼ばれると、西岡さんは大声で「ホイ」と返事され、モーニング姿の西岡さんが知事の前まで堂々と歩まれた途端、カラン・コロン、カラン・コロンと歯間下駄の音、一同がおそらく初めて見るモーニング姿に白足袋下駄を履いての歩み、会場からはクスクスと笑いのざわめきが起こったそうです。しかし知事は顔色ひとつ変えずにお祝いの言葉を述べられたあと、「率直に申し上げるが、西岡さんの今日のモーニングに下駄履きの姿、皆より笑い声が起こったが、名工ともなると靴の代わりに木の一端を自分の体に付けなければ心が落ち着かないということである。一芸一道を究める者姿こそ平常心を表すものだ。西岡さんのこの姿を笑う人は、洋服姿の坊さんが仏前でお経を唱えるのを見て褒め、袈裟、衣姿で読経する坊さんを見て笑うようなものだ。その点、十分反省するように」とおっしゃったそうです。
この話を覚えていたので、映画ではついつい足元に目が・・・たしかに。

まりも記

[広報注] 関東地区では渋谷ユーロスペース(~3/9)、川越スカラ座(~3/9)で上映中