奈良を偲ぶよすが(1)-旧十輪院宝蔵

東国便り

 この校倉は現在東京国立博物館の法隆寺宝物館の傍らに建っている。
もとは奈良市十輪院境内にあったもので、明治15年5月に移築された。

 鎌倉時代に造られた間口、奥行きとも173cm、高さ439cm、宝形造の建物で校倉としては最も小さい。内部の壁には釈迦十六善神像が描かれており、大般若経の経蔵として造られたことがわかる。
 軒は垂木を用いず、板軒になっており、また建物の四方の腰に十六善神を線彫りした石をはめているのも珍しい。昭和28年8月重要文化財に指定。(現地説明板より)

南西面(正面)の腰石板
北西面の腰石板

by 佐吉多万比古