奈良にうまいものあり!~グルメで奈良にリピーターを呼ぼう~

2013年2月28日、奈良ロータリークラブ例会にて
卓話講師
NPO法人 奈良まほろばソムリエの会 専務理事 鉄田憲男

奈良ロータリークラブで、鉄田憲男さんの卓話がありました。通常は90分でされているお話を30分にまとめられ、約140名の会員にたいへん好評でした。
最初に「NPO法人奈良まほろばソムリエの会」の紹介をされ、つづいて「まほろばソムリエと巡る大和路」9コースの案内をされました。
「奈良にうまいものあり」の内容は以下のとおりです。
・「奈良にうまいものなし」という言葉は志賀直哉ではなく、「県民自身が謙遜していった言葉です」と、若羽学園の田中敏子先生から生前に直接お聞きしました(志賀直哉の「奈良」というエッセイ全文を掲載した資料を配布)。私見(鉄田説)では、謙遜に加え、一般的によくいわれる「名物にうまいものなし」という言葉と混同されて広まったのではないかと思います。
・奈良県の「食」について、テレビや雑誌などでの情報発信が少ないのは、確かです。奈良県民は奥ゆかしいので、あまり売り込まないのでしょう。
・奥村彪生.(おくむら・あやお)さんという伝承料理研究家.が「奈良は日本の食文化発祥の地」とおっしゃっています。牛乳・乳製品、醤(ひしお)、砂糖(鑑真和上が日本に伝えました)、豆腐・湯葉、奈良漬、そうめん、まんじゅう(まんじゅうの祖は、奈良市林小路町の林神社に祀られている林浄因)、清酒(奈良市菩提山町の正暦寺で初めて作られた)は奈良が発祥とされています。奈良漬や奈良の清酒は今もとても美味しくて、奈良を代表する土産物ですね。
・奈良の地名を冠した食べ物も、多数あります(吉野葛、三笠まんじゅうなど)。
・ミシュランガイドでは、最初の年(2011年)は25ヵ店を数え、2年目は22ヵ店に減ったとはいえ、予想以上にたくさんの店が選ばれています。
・近頃はグルメコンテストもたくさん行われています。e-1グランプリ(環境に配慮した料理コンテスト。4月6日・7日、奈良県文化会館で開催)など。
・県下では大和肉鶏、ヤマトポークなど、畜産物がおいしい。
・絶品なのが大和野菜で、大和野菜は「京野菜」のルーツです。
・奈良は魚もおいしい。京都市から日本海への距離を奈良市からの同じ距離で比べると、伊勢湾までいってしまいます。奈良は海にも近いのです。
・グルメスポットは路地裏にあることが多いので、チェックしてから行きましょう。
・飲食店は事前に情報を仕入れてから行きましょう(奈良県の人口あたりの飲食店数は、全国で最も少ない)。『あまから手帳 奈良うまい店100選』、『美味しい奈良』、「三ツ星グルメ」(県のHP)などを参考に。
最後に、
・地元民が奈良のことをもっとよく知り、奈良に「愛情」と「誇り」を持とう。
・来訪者に、奈良を「巡る楽しみ」を知ってもらおう。
・「奈良のうまいもの」を食べてもらおう!
・そしてリピーター(奈良ファン)を増やそう。リピーターは最も有難い観光客だから(泊まってくれ、おカネを使ってくれ、友達を連れてきてくれる)。
と結ばれました。
会員のお店の料理などを直接取材・撮影して作られたパワーポイント資料に基づき、30分でコンパクトに話された卓話は、宿泊や飲食、食品などの仕事に携わる会員のみならず、多くの会員が感心して聞いておられました。

(報告 奈良まほろばソムリエの会  松森 重博)

日記

次の記事

冬の奥飛鳥をたずねて