女性グループ(ソムリエンヌ) 尼寺 音羽山観音寺を訪ねる

10月20日、女性グループ5名で音羽山観音寺を訪ねました。
奈良盆地の東南に、横たわる標高約851mの山が音羽山で、竜門山地の東北部を占めています。この音羽山の西斜面の中腹(約592m)に「音羽の観音さん」と親しんで呼ばれる観音寺があります。今回は麓まで車で入り、約1キロの参道を観音寺目指して登りました。

準備運動をするソムリエンヌメンバー

参道には笠塔婆型の丁石が登り口からほぼ一丁(109m)間隔で、十七基が観音寺本堂まで立ち、参詣者の道案内をしてくれます。駐車場のある地点から程なく桜井市百市への道と分れ、ここから森林の道を登ります。

「音羽山観世音 左たふの三祢」の道標

観音寺に参詣したあと多武峰へお参りする人のためのようで、観音寺より下りて来た方を向いて立っています。かつてはこの辺りから多武峰方面に通じる道があったようですが、今はその辿る道は見られませんでした。

観音寺入口に建てられた「報恩感謝の道」の碑。現代版の霊験譚が綴られています。

笑顔がとても素敵なご住職にお会いしました。「本堂へお上がりください」と、女性の方が声をかけてくださり、お茶とお菓子の接待を受けました。

観音寺本堂前で記念撮影

平安時代の初めには南音羽に諸堂、諸坊が多数あり「音羽百坊」といわれ、現在の観音寺は、その奥の院であったといわれますが、「音羽流れ」という大雨による山崩れによって大半が流失したと伝わります。
現在の本堂は寛政六年に改築され、嘉永五年に修理されたものだそうです。本尊の千手千眼観世音菩薩は眼病に霊験あらたかとされ、本堂東には滝水を飲めばそのご利益があると伝わる「音羽の滝」もあります。

音羽の滝

大和の名水ともいわれる眼病霊験の霊水です。

お葉つきイチョウ

観音寺を見守るように立つお葉つきイチョウの大木は昭和52年に県指定天然記念物に指定されました。今年は大きな台風の被害に遭い、葉もギンナンもたくさん飛ばされてしまったそうです。

万葉展望台へ

つづら折れの急な山道を登ります。山の斜面には寄進された桜の木が植えられていました。将来、音羽山を訪ねる人の憩いの場となり、桜の名所となる日が来るのかもしれません。

万葉展望台からの眺め

大阪まで眺望できる音羽山観音寺周辺として、奈良県景観資産に登録されています。
素晴らしい景色を眺めながら昼食をとり、音羽山をあとにしました。

文・写真 女性グループ(ソムリエンヌ)道﨑美幸