保存継承グループ 多神社(田原本町)で美化奉仕活動

保存継承グループは11月21日(日)、社寺美化奉仕活動を田原本町多の多神社で行いました。正式には多坐彌志理都比古(おおにいますみしりつひこ)神社と言い、延喜式内明神大社の歴史ある神社です。江戸時代建立の春日造りの4棟が並ぶ本殿は県指定建造物。神武天皇、その第二皇子でこの地域の古代豪族・多氏の祖神とされる神八井耳命(かむやいみみのみこと)など4祭神が祀られています。
好天に恵まれ、当グループから8名、ソムリエの会から10名の合計18名が参加しました。

参加者は県内から16名、大阪から2名。拝殿前で

電車組は午前9時半に近鉄橿原線笠縫駅前に集合、徒歩で神社へ向かい、拝殿前でマイカー組と合流。鎌と雑草入れのビニール袋を受け取った後、10時ごろから本殿西側の鎮守の杜で笹などの雑草刈り取りをスタート。

笹などを刈り取ってビニール袋に詰める参加者たち

笹藪を手前から奥へ狩り進んで行くのですが、笹は思いのほか硬くて鎌で刈り取るには力が要りました。道路に面したところでは捨てられたペットボトルなどのゴミもあり、併せて回収しました。
1時間10分ほどで刈り取られた笹などの雑草はなんと!大型ゴミ袋十数袋分に。

笹は高いもので1.2m程度あり、茎は結構硬かった

作業の後、参加者の1人でガイドグループの坂口隆信さんに多神社にまつわるお話と周辺の史跡について説明していただきました。最後は多神社南側にある摂社で、多氏の一族の『古事記』編者・太安萬侶を祀る小杜(こもり)神社も訪ねました。
正午すぎに現地で解散し、小春日和の中、すがすがしい半日となりました。

本殿近くで坂口さん(中央奥・こちら向き)の説明を聞く参加者たち

拝殿横の多神社資料館には木造太安萬侶神像(田原本町指定文化財)や多遺跡出土品などが展示されています。ご神職が急な所用でご不在だったので、当初予定していた見学は残念ながらできませんでした。また日を改めて見学させていただこうと思います。

一昨年までは任意団体「まほろば会」主催の社寺美化奉仕活動に保存継承グループ有志が参加してきましたが、昨年度から当グループ主催で実施しています。NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」会員の社会貢献活動の一環です。次回開催時も会員の皆さんに参加募集する予定ですので、関心のある方々のご参加をお待ちしています。

保存継承グループ 文:東辻裕子、写真:久門たつお