春日大社は、平城京の守り神として武甕槌命(たけみかづちのみこと)を御蓋山(みかさやま)に迎え、続いて経津主命(ふつぬしのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、比売神(ひめがみ)を迎え、4棟の本殿が768年に創建されました。
神の使いとして大切にされてきた鹿は、ナギ樹林とともに国の天然記念物に指定されています。
一之鳥居から二之鳥居まで約1キロの参道を進むと、緑の森の中に朱色の楼門が現れます。
南門を入ると、身が引き締まります。中門の前に樹齢約1000年、周囲約8メートルの大杉がそびえ、奥(大宮)に本殿があります。国宝の本殿は20年ごとに修繕し、造り替えられるため、壮麗で清浄な姿を保っています。
藤原氏とともに栄え、皇室の信仰もあつく、国家鎮護の神として、あがめられてきました。
「砂ずりの藤」は藤原氏ゆかりの名木で、花房が伸びて砂に擦れるため命名。寄進された約3000基もの灯籠(とうろう)に春日信仰の広がりを見ます。
国宝殿には、354点の国宝、1482点の重文はじめ多数の文化財を所蔵・展示しています。
年間2200回以上のお祭りが行われ、12月の春日若宮おん祭は、約900年近く途切れることなく続けられており、奉納される神事芸能は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
(奈良まほろばソムリエの会会員 徳南毅一)
(住所)奈良市春日野町160
(祭神)武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神
(交通)JR・近鉄奈良駅からバス「春日大社表参道」下車
(拝観)境内自由。御本社参拝は6時半〜17時半(3〜10月)
(駐車場)乗用車1000円など
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