やまとの神さま
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第59回 2023年10月05日掲載
最古の神社 山がご神体  大神神社(桜井市)


神木「巳の神杉」越しの大神神社の拝殿=桜井市三輪で

 大神(おおみわ)神社は、背後の三輪山自体をご神体とするため本殿がなく、日本最古の神社とされます。主祭神の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)は、三輪山への鎮座を望まれたといい、崇神(すじん)天皇の時代に疫病を鎮められたことから「みわさん」の名で親しまれています。
 1664(寛文4)年に徳川家綱が再建した拝殿(重文)の奥に、三ツ鳥居(重文)が設けられ、その奥は浄域のため禁足地となっています。拝殿の傍らの神木「巳(み)の神杉(かみすぎ)」に、神の化身の蛇がすむとも言われています。
 大神を「オオミワ」と読むのは、ご祭神が神様の中の神様としてあがめられ、神とは「三輪の神」を意味するようになったからだと伝わります。
 大物主大神は国造りの神として、また医薬・酒造など人間生活全般の守護神として、広く神威を仰がれてきました。
 例えば、三輪にかかる枕ことばは「うまざけ」で、ご祭神は酒造りの神としても信仰されており、毎年11月14日には「酒まつり(醸造安全祈願祭)」の神事が行われます。
 また、そうめん作りの守り神としても信仰があつく、毎年2月5日に行われる「卜定祭(ぼくじょうさい)」では、神社と縁の深い三輪そうめんの卸値をご神前にて伺い、その年のそうめんの出来や売れ行きを占います。

(奈良まほろばソムリエの会会員 箕輪成記)


(住所)桜井市三輪1422
(祭神)大物主大神(おおものぬしのおおかみ)
(交通)JR三輪駅から徒歩約5分▽土日祝のみ桜井駅から大神神社まで路線バス運行
(拝観)境内自由
(駐車場)有り(無料)
(電話)0744・42・6633

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