全国の鴨(加茂)社の総本宮である高鴨神社は金剛山の東麓(ろく)、風の森峠の西方の御所市鴨神に位置し、大きな森を背に南面して鎮まっています。
平安時代の神社一覧である「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」で「名神(みょうじん)大社」に列せられた古社で鴨族発祥の地に鎮座する当神社は、同じく御所市にある葛木御歳(かつらぎみとし)神社(中鴨社)や鴨都波(かもつば)神社(下鴨社)に対して上鴨社と呼ばれてきました。
正面の鳥居の横には、神社には珍しく鐘楼があり、梵鐘(ぼんしょう)の銘文には神宮寺であった金剛寺の由緒などが詳しく記されています。また、本殿には大般若経六百巻(鎌倉時代)や千体仏画像なども残され、神仏習合の名残を今にとどめています。
本殿は、檜皮葺(ひわだぶ)きの三間社流造(正面の柱間が三つあり、屋根が前に伸びた建築様式)で中央の間を広くして唐破風(からはふ)を入れ、その意匠や本殿に1543(天文12)年の墨書銘があることから室町時代の再建と考えられています。この時代の代表的な神社建築の貴重な遺構として、国の重要文化財に指定されています。
境内の500種2000鉢に及ぶ「日本さくら草」が毎年4月末頃に見頃を迎えます。
(奈良まほろばソリエの会会員 岡田充弘)
(住所)御所市鴨神1110
(祭神)阿遅志貴高日子根命(あぢしきたかひこねのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、阿治須岐速雄命(あじすきはやおのみこと)、下照姫命(したてるひめのみこと)、天稚彦命(あめわかひこのみこと)
(文化財)本殿(国重要文化財)
(交通)近鉄御所駅から奈交バス「風の森」下車、徒歩約15分
(拝観)午前8時〜午後5時
(駐車場)有(約40台)無料
(電話)0745-66-0609
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