やまとの神さま
< 第153回へ
第154回 2026年04月02日掲載
狛犬の足に「恋の赤い紐」   御霊神社(奈良市)


「八所御霊大神」を拝する御霊神社拝殿=奈良市薬師堂町で


 奈良市薬師堂町の御霊(ごりょう)神社は800(延暦19)年に桓武天皇の勅命で創祀(そうし)されました。祭神は本殿に事代主命(ことしろぬしのみこと)と、政権争いで幽閉され薨去(こうきょ)した井上(いがみ)皇后(=内親王)、他戸(おさべ)親王親子の2座、東社殿に藤原種継(ふじわらのたねつぐ)暗殺に関与を疑われ皇太子の位を追われ後に亡くなった早良(さわら)親王、非業の最期を遂げた藤原広嗣(ひろつぐ)、藤原大夫人(だいふじん)の3座、西側社殿に伊予親王、橘逸勢(たちばなのはやなり)、文屋宮田麿(ふんやのみやたまろ)の3座を合わせ「八所御霊大神(はっしょごりょうおおかみ)をまつっています。
 奈良の南の出入口である上つ道に早良親王を、下つ道に他戸親王を、中つ道には井上皇后をまつる井上御霊社が造営されていました。この内、五條の御霊神社本宮(3月19日の本欄で紹介)から遷祀(せんし)された井上御霊社が当社の始まりです。その後、室町中期の元興寺の火災で当社も焼失、現在地に遷座され元興寺の鎮守社となりました。
 南門の両脇に立つ狛犬(こまいぬ)の足には、お参りの人々が赤い紐(ひも)を結びます。江戸時代から伝わる「狛犬の足止め祈願」です。近ごろでは、恋人と一緒にいられるようになどの願いを込め、多くの人がお参りの際に紐を結んでいます。
(奈良まほろばソムリエの会会員 鶴田吉範)


(住所)奈良市薬師堂町24番地
(祭神)井上皇后、他戸親王、事代主命、早良親王、藤原広嗣、藤原大夫人、伊予親王、橘逸勢、文屋宮田麿
(交通)近鉄奈良駅より徒歩約15分
(拝観)境内自由
(駐車場)無
(電話)0742・23・5609


 掲載記事(pdf)はこちら

トップページへ
COPYRIGHT (C) 奈良まほろばソムリエの会 ALL RIGHTS RESERVED.