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第17回 2017年05月11日掲載
珠光忌に獨廬庵公開 ―― 奈良市の称名寺


珠光の4畳半草庵「獨蘆庵」(称名寺提供、田村昌哉さん撮影)=いずれも奈良市で

 村田珠光(じゅこう)をご存知でしょうか。現在の奈良市中御門町に生まれ、11歳の時、称名寺に入り僧になりました。
 お茶を飲むという文化は、平安時代、空海など学僧により日本に持ち込まれました。室町時代になると、嗜好(しこう)品としての喫茶が広まり、どれが本茶(京都栂尾(とがのお)の抹茶)かなど、お茶を当てる闘茶(とうちゃ)が広がり、賭け事などで堕落したとされています。
 一休和尚に師事参禅した珠光は、禅の思想を抹茶の喫茶に持ち込みます。珠光が始めたお茶を飲む時の心のあり方や4畳半という狭い草庵は、後に千利休によって侘(わ)び茶として完成されます。
 称名寺に伝わる珠光の草庵(そうあん)「獨蘆(どくろ)庵」は15日の珠光忌に、称名寺本堂の仏像と共にこの日のみ特別公開されます。客殿では抹茶接待も行われます。立礼という椅子に腰かけてのお手前で、気楽にお抹茶を味わえます。


【奈良まほろばソムリエの会理事 清水千津子】



獨蘆庵の茶庭。左はつくばい、右は珠光がくみあげた井戸(称名寺提供)

■メモ■

近鉄奈良駅下車、高天交差点を北へ1つ目の内侍原交差点を西に100メートル、徒歩約10分。
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