やまとの神さま
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第172回 2026年09月10日掲載
佐吉の「こま犬」お出迎え  阿波神社(斑鳩町)


阿波神社本殿=斑鳩町阿波で


 阿波神社は富雄川の西側に鎮座しています。祭神は素佐之男命(すさのおのみこと)で、元は素佐之男神社と呼ばれていました。木造の鳥居には「素佐男社」の額が掲げられ、江戸中期に奉献された常夜灯には牛頭天王(ごずてんのう)と刻まれています。
 境内の末社として、雨乞いの神とされる多度神社、長寿の神とされる多賀神社の他、野椎(のづち)神社が鎮座しています。昔、野椎神社は阿波神社から南西に約600メートル離れた湯田ノ森と呼ばれる円形古墳の上に祭られており、小さいながらも温泉が湧き聖徳太子が湯あみをしたとの伝承もあります。
 本殿水垣前に安置されている1対の狛犬の台座には、奉献時期は不明ながら、「作師照信花押(さくしてるのぶかおう)」と刻まれています。これは、時の孝明天皇より、「日本一」と賞賛されたと伝わる石工・丹波佐吉の号で、1859(安政6)年に造られたと推定されています。佐吉の作品に見られる、筋肉質でずんぐりとした体形、たてがみの巻き毛などの特徴を持つこま犬です。
 なお、神社の南側に聖徳太子の飽波葦垣宮(あくなみあしがきのみや)があったと伝わっており、地名の「阿波」は、一説には「飽波」からの転訛(てんか)ではないかといわれています。古代、この一帯は、飽波郷(あくなみのさと)に属したのかもしれません。
(奈良まほろばソムリエの会会員 弘瀬典子)


(住所)生駒郡斑鳩町阿波1の6の38
(祭神)素佐之男命
(交通)JR法隆寺駅から北東へ徒歩約15分
(拝観)境内自由
(駐車場)なし
(電話)なし


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