龍田大社は三郷町の大和川右岸に鎮座し、近くには大和と河内を結んだ龍田古道も通ります。古くから「風の神様」として親しまれてきました。
社伝によると、創建は約2100年前、第十代崇神(すじん)天皇にさかのぼります。国内に凶作や疫病が流行した中、天皇の夢に現れた神様のお告げ通りに龍田の立野に宮を造営すると、疫病は退散し豊作になったとされます。
大社南側正面には大きな鳥居があり、拝殿まで見通せ、風が通り抜けるような開放感を感じます。正面に拝殿、祝詞殿(のりとでん)、両脇には五つの摂社末社、そして祝詞殿の奥に本殿があります。
主祭神は本殿一殿に天御柱大神(あめのみはしらのおおかみ)、二殿に国御柱大神(くにのみはしらのおおかみ)が祭られています。天と地の間、大気・生気・風力を司(つかさど)り、天地宇宙の万物生成の中心となる「気」をお守りくださる力のある神様です。
古来、「龍田の風神」「廣瀬(ひろせ)の水神」と並び称され、「日本書紀」には天武天皇が675年、現在の龍田大社、廣瀬大社(河合町)に国家安泰と五穀豊穣(ほうじょう)を祈願したと記されています。
毎年7月第1日曜には「風鎮大祭」が行われます。神様に火のごちそうである「風神花火」が供えられ、美しくも荘厳な雰囲気に包まれます。
(奈良まほろばソムリエの会会員 石橋真理)
(住所)三郷町立野南1の29の1
(祭神)天御柱大神、国御柱大神
(交通)JR三郷駅下車。徒歩約5分
(拝観)境内自由
(駐車場)無料(50台)
(電話)0745・73・1138=9〜17時
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