吉野山口神社と高鉾(たかほこ)神社は龍門岳(904メートル)の南麓(なんろく)、吉野町山口の旧伊勢街道と、龍門滝や龍門寺跡へのY字型の岐路の間に鎮座しています。
吉野山口神社の創建年代は不詳ですが、祭神は大山祇神(おおやまつみのかみ)で、古来山の神、降雨・止雨を司(つかさど)る神として信仰されています。
高鉾神社は龍門岳の頂上に祭られていましたが、約500年前に吉野山口神社の境内に遷(うつ)されました。祭神は万物を造られたとされる高皇産霊神(たかみむすびのかみ)です。
地元では両社を龍門大宮(りゅうもんおおみや)と呼び崇敬されています。どちらも平安時代の「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」に記載された式内社で格式の高い神社です。
正面の大鳥居をくぐり参道を進むと唐破風の立派な拝殿があります。その前に、八代将軍徳川吉宗が寄進した2基の灯籠(とうろう)があります。この灯籠は参勤交代の際の通行ご加護に報いるもので、1716(正徳6)年の銘が刻まれています。拝殿の後方に両本殿が並び、向かって左が吉野山口神社、右が高鉾神社です。
高鉾神社本殿の裏手には県指定の天然記念物「山口のツルマンリョウ群落」があります。7月ごろにかれんな花を咲かせ、翌年秋に果実が美しく紅熟し、参拝者の目を楽しませてくれます。
(奈良まほろばソムリエの会会員 亀田幸英)
(住所)吉野町山口634
(祭神)<吉野山口神社>大山祇神
<高鉾神社>高皇産霊神
(交通)近鉄大和上市駅からタクシー約15分
(拝観)境内自由
(駐車場)無
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