菅原天満宮は、奈良市菅原東の阪奈道路近くに鎮座します。平安時代の神社一覧である「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」にも記されている古社です。祭神は、菅原家の一系三神です。
祖神とされる天穂日命(あめのほひのみこと)の子孫の野見宿祢(のみのすくね)は、当麻蹶速(たいまのけはや)との力比べでこれに勝ち、相撲の始祖とされます。垂仁(すいにん)天皇の皇后が崩御した際、野見宿祢は殉死の習慣をやめ埴輪(はにわ)を埋めるよう進言した功績で、土師臣(はじのおみ)の姓を賜りました。
のち土師古人が781(天応元)年、土地の名である「菅原」への改姓を願い出て認められ、そのひ孫が菅原道真です。
境内には石造りの臥(ふ)せ牛や梅の木、使い古した筆を供養する筆塚があり、今も多くの人が、試験合格や学徳成就の祈願に訪れます。
6月25日の「道真公誕生祭」「鷽(うそ)替え神事」は、今年は4年ぶりに行われます。鷽替え神事は大宰府で神事の際、多数の蜂が人々を刺そうと襲ってきましたが、鷽が飛んできて蜂を食い尽くし、危機を救ったことに由来します。参拝者は鷽のお守りを購入します。鷽は嘘に通じますので、災いや不吉なことを嘘とし、吉に変えられるよう願いながら、太鼓の音に合わせて「替えましょ、替えましょ」と声をかけ合って、お守りを交換します。
(奈良まほろばソムリエの会会員 増田優子)
(住所)奈良市菅原東1の15の1
(祭神)天穂日命 野見宿祢 菅原道真
(交通)近鉄大和西大寺から南に徒歩約15分
(駐車場)有(無料)
(拝観)境内自由
(電話)0742・45・3576
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