雄略天皇の御代に創建と伝わる門僕(かどふさ)神社は、曽爾村の中央部、青蓮寺(しょうれんじ)川(曽爾川)の西岸に鎮座しており、延喜式神名帳に大和国宇陀郡17座のうちに記載された由緒ある神社です。
祭神は、天津児屋根命(あまのこやねのみこと)、武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)、比賣大神(ひめおおかみ)と他3柱で、曽爾村8大字の産土神(うぶすながみ)として崇敬されています。社殿は21年ごとに造替されていましたが1679(延宝7)年の暴風雨で倒壊し、棟札・諸記録が流出したため、高所に再建されました。現在の社殿は2010年の造替で、屋根を桧皮葺(ひわだぶき)から銅葺としました。
秋の例祭(体育の日の前日に斎行)では、「すこ」(柿と餅を串に挿し頭上に鶏頭花を挿して着飾った乙女の形)という神饌(しんせん)が犬の舌・牛の舌の形に模した餅とともに供えられます。また、境内では、1718(享保3)年から300年以上継承されている「曽爾の獅子舞」が、長野・今井・伊賀見の3地区の人たちにより奉納されます。参神楽、獅子踊り、接ぎ獅子など一連の獅子舞は、種類の豊富さと質の高さが評価され1979年に県無形民俗文化財に指定されました。また境内には葉のふちに種子をつける「お葉付イチョウ」(県指定天然記念物)があります。
(奈良まほろばソムリエの会会員 本井良明)
(住所)曽爾村今井733
(祭神)天津児屋根命、武甕槌命、経津主命、比賣大神、玉祖命(たまのやのみこと)、天手力男命(あめのたぢからおのみこと)、天宇受賣命(あめのうずめのみこと)
(交通)近鉄榛原駅から奥宇陀わくわくバス「曽爾役場前」下車すぐ。無料駐車場あり
(拝観)境内自由
(電話)0745・96・2711
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