高山八幡宮は県最北部の生駒市高山町の富雄川沿いに鎮座しています。「続日本紀」によりますと、749(天平勝宝元)年の東大寺大仏鋳造完了の際、宇佐八幡宮(現在の大分県宇佐市)の祭神を勧請し、この地に仮の宮殿を設けたのが始まりと伝えられます。
祭神は足仲彦命(たらしなかつひこのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)、息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと)で、鎌倉・室町時代にはこの地の領主、鷹山(たかやま)氏の氏社として栄えました。
本殿は三間社流造(さんげんしゃながれづくり)(正面に4本の柱があり柱間が3つ、屋根の一方がゆるやかな反りをもって流れるように伸びている建築様式)の檜皮葺(ひわだぶ)きで、室町時代末期の建立。1572(元亀3)年以降の修理年を示す20枚の棟札が残り、本殿と棟札は、ともに国重文です。
本殿前には拝殿が立ち、前庭の中心には、1799(寛政11)年再興の棟札を持つ舞殿(能舞台)があります。その東西には、宮座が所有する座小屋が並んでいます。
祭礼を司る宮座は7座あります。中でも無足人座(むそくにんざ)はもと鷹山氏家臣の家筋で、宮座の中でもその座小屋は、拝殿の真横にあります。
例大祭は毎年10月第3日曜日に行われます。御供上(ごくあ)げ(神さまへのお供え)を含む宮座行事は、生駒市指定無形民俗文化財です。
(奈良まほろばソムリエの会会員 大平芳枝)
(住所)生駒市高山町12679―1
(祭神)足仲津彦命、誉田別命、息長帯比売命
(文化財)本殿・棟札(重文)、宮座行事(市指定無形民俗文化財)
(交通)富雄駅から庄田行きバス「高山八幡宮」下車すぐ
(拝観)6時〜18時
(駐車場)あり(無料)
(電話)0743・78・1014
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