檜原(ひばら)神社は山の辺の道沿いにある大神神社の摂社です。ご祭神は天照大御神若御魂神(あまてらすおおみかみのわかみたまのかみ)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冊尊(いざなみのみこと)です。緑の木々と赤い玉垣に守られた三ツ鳥居は、伊勢神宮から譲り受けた檜(ひのき)の古材で作られました。
三ツ鳥居は鳥居を三つ組み合わせた独特の形で、通称三輪鳥居ともいわれます。
「日本書紀」には、第10代崇神天皇の時代、宮中で祭られていた天照大御神を皇女豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)に託し、初めて宮中外の「倭笠縫邑(やまとのかさぬいのむら)」に遷(うつ)し祭らせたと伝わります。檜原神社はその伝承地であり、天照大御神が伊勢神宮に遷る前に鎮座した地「元伊勢」として、古来、信仰を集めてきました。
「斎王」とは、天皇に代わり天照大御神に仕えた特別な皇族女性です。初代斎王として奉仕した豊鍬入姫命の威徳を尊び、1986(昭和61)年11月、社殿が創建されました。
斎王制度は南北朝時代に断絶しますが、その伝統は受け継がれ、境内には昭和期に入りこの地を訪れた伊勢神宮女性祭主の歌碑や参拝記念樹があり、歴代皇女の足跡は今も息づいています。
はるか昔へ思いを馳せつつ、表参道の注連柱(しめばしら)(鳥居)から眺める西空には、二上山、奈良盆地を望む絶景の檜原台地が広がっています。
(奈良まほろばソムリエの会会員 梅田加都)
(住所)桜井市三輪檜原
(祭神)天照大御神若御魂神・伊弉諾尊・伊弉冊尊
(交通)JR三輪駅から徒歩約30分
(拝観)境内自由
(駐車場)有
(電話)0744-45-2173
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