宮滝の集落から吉野川を渡り南へ進むと、象(きさ)の小川のほとりに櫻木神社が鎮座しています。万葉集にも詠まれたせせらぎを耳にしながら屋根のある木末橋(こぬればし)を渡ると、鮮やかな朱塗りの鳥居が見えてきます。
創建は飛鳥時代の大化(645〜650)年代に疱瘡(ほうそう)治癒の神さまが天から象に乗って降りてきたことが始まりとされ、古くから疱瘡よけにご利益があるとして、信仰を集めてきました。
ご祭神は、国造りや医薬の神である大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)、天武天皇の三柱です。
皇位を巡り、天智天皇の弟・大海人皇子(おおあまのみこ)(後の天武天皇)と天智天皇の子・大友皇子が争った壬申(じんしん)の乱。その勃発前に、大海人皇子が姿を隠していた吉野には、大海人皇子の伝承が数多く残っています。
大友皇子の追っ手に追われた大海人皇子は、櫻木神社にあった桜の根元に隠れて窮地を脱したと伝わり、また櫻木神社への道沿いに「虎に翼を着けて放てり」と刻まれた石碑が建っています。これは病床の天智天皇に即位を勧められた大海人皇子がこれを固辞、出家して、大津の都を離れ吉野に向かった際に都の人々がささやいたという日本書紀の一文です。
(奈良まほろばソムリエの会会員 山ア愛子)
(住所)吉野町喜佐谷423
(祭神)大己貴命、少彦名命、天武天皇
(交通)近鉄大和上市駅からバス約15分、「宮滝」下車徒歩約15分
(拝観)境内自由
(駐車場)有(無料)
(電話)なし
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