東城(ひがしんじょう)八幡神社は川西町下永(しもなが)東城地区の鎮守社で、「東城」は外敵の侵入を防ぐとりでが築かれていたことに由来します。
流造(ながれづくり)銅板葺の本殿は大和川を背にして集落北側に建っています。祭神は誉田別命(ほんだわけのみこと)、足仲彦命(たらしなかつひこのみこと)、息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと)の三柱ですが、創建年代は不明です。
本殿東隣には神宮寺である白米寺(はくまいじ)がありましたが、江戸時代中期には廃寺となりました。仏像類は地区内に散逸していましたが、今は1963年ごろに建てられた「旧白米寺収蔵庫」に保管されています。特に阿弥陀堂の本尊として安置されていた重文の木造阿弥陀如来坐像は八幡神の本地仏であり、神仏習合の典型例です。
本殿前には石灯籠(とうろう)が30基、並んでいます。大部分が幕末頃のものですが、1基には1606(慶長11)年の銘があり、同町では糸井神社に次ぐ古いものです。
拝殿前の一対のこま犬は丹波佐吉の作で、町指定文化財です。本体と框座(かまちざ)を砂岩の一材から彫り出し、蕨手(わらびて)状の尾の先端や基台の「奉献」の彫りの深さに個性がみられます。佐吉狛(こま)犬の中では中期に属する1859(安政6)年の製作で、「作師照信花押」「大坂住石工佐吉」の銘があるのは他に杵築神社(三宅町伴堂)のこま犬だけです。
(奈良まほろばソムリエの会会員 辰巳裕世)
(住所)川西町下永385
(祭神)誉田別命、足仲彦命、息長帯姫命
(交通)近鉄結崎駅から北側へ徒歩約10分
(拝観)境内自由
(駐車場)あり
(電話)なし
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