樋口神社は大和三山の一つである耳成(みみなし)山西側の橿原市木原町にあり、集落の北の端に西面して鎮座しています。
神社から50メートルほど北側には寺川の支流である米川(よねがわ)が流れています。集落の東側には木原坂と呼ばれる耳成山への登山道の一つがあり、弘法大師ゆかりの井戸が残されています。
こぢんまりと整えられた境内には割拝殿(わりはいでん)、その奥に本殿があります。拝殿は切妻造(きりつまづくり)、桟瓦葺(さんがわらぶ)きで、明治以降の絵馬が多数残されています。本殿は幅63・5センチ奥行101センチの春日造で、1919(大正8)年5月に改修した旨の棟札が残っています。
神社の創建時期については明らかではありませんが、祭神は豊饌炊屋姫命(とよみけかしきやひめのみこと)(推古天皇)です。推古天皇は、聖徳太子、蘇我馬子と共に政治を行ったわが国初の女性天皇です。
日本書紀には、601(推古天皇9)年に天皇が耳梨行宮(みみなしかりみや)へ行幸した際、大雨が降って、近くの川の水が行宮に流れ込んだと記されています。この川が神社の北側を流れる米川だと伝えられ、近くには「テンノウバタ」という地名もあったことから、神社付近が行宮跡であると伝承されています。
(奈良まほろばソムリエの会会員 戸尾知子)
(住所)橿原市木原町272
(祭神)豊饌炊屋姫命
(交通)近鉄大和八木駅から東へ徒歩約30分
(拝観)境内自由
(駐車場)なし
(電話)なし
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