やまとの神さま
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第174回 2026年10月01日掲載
美女の産湯 伝わる井戸  玉津島明神(桜井市)


玉津島明神のほこら(左)と境内に再現された井戸(右)=桜井市忍阪で


 万葉集にうたわれる忍坂山(おさかのやま)(外鎌山(とかまやま))山麓(さんろく)の古道・忍坂(おっさか)街道沿いに玉津島明神の小さなほこらがあります。忍阪(おっさか)集落内には、舒明(じょめい)天皇陵、万葉歌人の鏡王女(かがみのおおきみ)墓、日本最古の石造浮彫(うきぼり)の伝薬師三尊像(重文)を安置する石位寺(いしいでら)があり、記紀万葉故地となっています。
 古事記によると、祭神の稚日女尊(わかひるめのみこと)は天照大神の妹神、衣通姫尊(そとおりひめのみこと)は第19代允恭(いんぎょう)天皇と忍坂大中姫(おしさかのおおなかつひめ)の皇女とされています。
 衣通姫は忍阪の地で生まれ、その時使ったとされる「産湯の井戸」の石積み跡が境内近くに残っていて、保存されています。一方、境内の隅にあった石の井戸枠に新たに井戸が掘られ、掘り出した石積みの石を底に敷き詰めて再現しています。
 衣通姫は記紀ともに絶世の美人といわれ、その美しさは衣を通して輝いていたことからその名が付けられたとされます。古来よりこの村に生まれた女の子は、この井戸の水を産湯に使うと美しくなると伝わっています。
 毎年10月初めに忍阪区が主催する「忍坂街道まつり」が開催されます。イベントでは玉津島明神を含めた名所旧跡を巡る歴史ウォークが行われ、多くの歴史愛好者が記紀万葉の世界に浸りながら歩みを満喫します。
(奈良まほろばソムリエの会会員 𠮷川康司)



(住所)桜井市忍阪1192
(祭神)稚日女尊、衣通姫尊
(交通)近鉄大和朝倉駅から徒歩約20分
(拝観)境内自由
(駐車場)近隣に無料駐車場あり
(電話)なし


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