法輪寺は、聖徳太子の病気平癒(へいゆ)を願い子の山背大兄王(やましろのおおえのおう)とその子由義王(ゆぎおう)が建立したとも、百済聞師(くだらもんし)ら3人が建立したとも、諸説が伝わります。
寺の南側には田園風景が続き、遠くからでも斑鳩三塔の一つである三重塔を拝することができます。この塔は国宝に指定されていましたが、昭和19(1944)年、落雷で焼失しました。今の塔は、地元民や作家の幸田文氏をはじめ多くの人々の支援と住職二代にわたる努力によって昭和50(1975)年、焼失前の塔と同じ場所に同じ姿で再建されたものです。
講堂は昭和35年、耐火構造の収蔵庫として改築され、堂内では間近で多くの仏さまを拝むことができます。
須弥壇(しゅみだん)には本尊の木造薬師如来坐像をはじめ、8体(うち6体が重文)が安置されており、中央のひときわ大きな木造十一面観音立像が目を引きます。この観音さま、後ろに回ると光背に開けられた穴から通常は拝観できない後面のお顔を拝むことができます。
表門から東に向かう道筋からは、山背大兄王の墓所と伝わる「富郷(とみさと)陵墓参考地」が望めます。
【奈良まほろばソムリエの会 柏尾信尚】
■宗派 単立
■住所 生駒郡斑鳩町三井1570
■電話 0745-75-2686
■交通 JR法隆寺駅または近鉄筒井駅よりバス、いずれも「中宮寺前」下車徒歩約15分
■拝観 8〜17時(3〜11月) 8〜16時半(12〜2月)500円
■駐車場 有(無料)
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