やまと百寺めぐり
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第19回 2019年08月22日掲載
激動見た 日本最古の寺  飛鳥寺(明日香村)


創建当時の金堂礎石が残る飛鳥寺=明日香村で

 甘樫丘の東麓にある飛鳥寺は、飛鳥時代に蘇我馬子によって建てられた日本最古の仏教寺院です。創建時は、現在の20倍もの広さの寺域を持ち、五重塔を中心に3金堂が建つ大寺院でした。
 今では田園風景にすっかりとけこんだ飛鳥寺ですが、飛鳥時代にはまさに激動の大舞台でした。645年の乙巳(いっし)の変で、飛鳥板蓋宮(いたぶきのみや)にて蘇我入鹿(いるか)を暗殺した中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)は、甘樫丘の邸宅にたてこもった入鹿の父・蝦夷(えみし)の反撃に備えて、飛鳥寺を占拠しました。蘇我氏の氏寺を占拠したのが功を奏したのか、蝦夷側からは離反者が続出し、もはやこれまでと観念した蝦夷は、自宅に火をつけました。飛鳥寺と甘樫丘はほんの目と鼻の先の距離ですから、火の手があがった瞬間には、飛鳥寺では大きな雄たけびがあがったことでしょう。
 本堂には日本最古の大仏である「飛鳥大仏」がおられ、寺の西側には入鹿の首塚と称される五輪塔もあります。古(いにしえ)の飛鳥時代に想いをはせながら、お寺にご参拝されてはいかがでしょうか。

【奈良まほろばソムリエの会理事 露木基勝】



■宗派 真言宗豊山派
■住所 奈良県高市郡明日香村飛鳥682
■電話 0744-54-2126
■交通 近鉄橿原神宮前駅東口からバス 「飛鳥大仏前」下車すぐ
■拝観 9:00〜17:30(4〜9月)、9:00 〜17:00(10〜3月)、受付はそれぞれ 15分前まで。350円
■駐車場 有(有料)



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