奈良市から北東へ7キロほどにある浄瑠璃寺は、京都府木津川市にありますが、奈良との関係が深いので、古来奈良の山背(やましろ)といわれ、当尾(とうの)の里といわれるのどかな田園風景に囲まれています。百年前に訪れた哲学者の和辻哲郎や歌人の会津八一が訪ねた頃も同じような静かなたたずまいだったようです。
お寺の門をくぐると池がありその南には薬師如来をまつる三重塔が建っています。塔のある此岸(しがん)(この世)から池ごしに、彼岸(ひがん)(あの世)浄土の世界をあらわすといわれる本堂が望めます。本堂には阿弥陀如来が九体それぞれ異なる表情をされて並ばれているので、九体寺ともいわれています。(現在は5年計画で2体ずつ金箔の補修にでられ、お堂におられるのは7体です)。
境内には四季折々に花が咲き「花の寺」ともいわれていますが、秋は紅葉、萩の花、柿が楽しめるもっとも良い季節です。近くの岩船寺へたどる山道には古くからの石仏があちこちに残りおすすめの道です。JR加茂駅からのハイキングも楽しめます。
【奈良まほろばソムリエの会理事 松森重博】
■宗派 真言律宗
■住所 京都府木津川市加茂町西小札場40
■電話 0774-76-2390
■交通 JR加茂駅からバス「浄瑠璃寺前」下車すぐ。JR・近鉄奈良駅からバス「浄瑠璃寺前」すぐ。
■拝観 9:00〜17:00(3〜11月)10:00〜16:00(12月〜2月)
■駐車場 無(民営駐車場あり)
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