やまと百寺めぐり
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第36回 2019年12月19日掲載
世界遺産で除夜の鐘を  興福寺(奈良市)


興福寺菩提院大御堂で執り行われる「除夜の鐘」=2017年12月31日

 2018(平成30)年に中金堂が落慶した興福寺は、法相宗の大本山です。阿修羅像はじめ国宝の仏像では全国の寺社の中で最も多い18件を所蔵、五重塔など国宝の建造物や多数の文化財を有します。世界遺産「古都奈良の文化財」の一つに登録されています。
 大みそかに興福寺では私たち一般人も除夜の鐘を撞(つ)くことができます。撞ける場所は2カ所、南円堂(なんえんどう)と菩提院大御堂(ぼだいいんおおみどう)です。整理券が必要で、午後11時ごろから、それぞれ先着100人に配布されます。例年、菩提院大御堂の方が比較的人数に余裕があるようです。
 午後11時半ごろから皆で声を合わせて般若心経を読経したあと、整理券の番号順に鐘を撞きます。過ぎた日々の煩悩を取り除き、新年が良い年であるように願いを込めて、自ら撞く鐘の音はひときわ美しく澄んで、大みそかの夜空に響きます。
 菩提院では午後11時ごろから除夜の鐘を撞いている間、非公開の大御堂が開扉され、ご本尊の阿弥陀如来坐像、稚児観音立像などを拝観できます。

【奈良まほろばソムリエの会会員 山ア愛子】



■宗派 法相宗
■住所 奈良市登大路町48番地
■電話 0742・22・7755
■交通 近鉄奈良駅から徒歩5分
■拝観 9時〜17時 境内自由
■駐車場 有(有料)



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