大峯山(おおみねさん)登山口の洞川(どろがわ)にある龍泉寺(りゅうせんじ)は、真言宗醍醐派の寺院で、修験道当山派(とうざんは)の大本山、大峯山上の大峯山寺(おおみねさんじ)の護持院でもあります。県内でも屈指のパワースポットとして知られています。役行者が、大峯山での修行中洞川に下ると、こんこんと湧き出る泉を発見、そのほとりに八大龍王尊(龍神様)をお祀(まつ)りしたのが龍泉寺の始まりであると伝えられています。
役行者が大峯一山の総鎮守とした八大龍王尊は、八大龍王堂に祀られています。弘法大師が、高野山を開創する以前に当寺に止住し、この宝前で「雨乞(あまごい)の修法」をして以来、修行者の道中安全、家業繁栄の守護神として崇(あが)められています。長年の風雨に耐えたお堂でしたが、老朽化のため解体して、2001(平成13)年に再建されました。
堂内の天井に描かれた天上龍図は、修行者を護(まも)る円相の龍です。狩野派の絵が川面稜一(かわもりょういち)画伯によって復元されました。龍の表情は、見る位置や心持ちによって変わって見えます。八大龍王堂大祭は、毎年10月の第2日曜日に斎行され、柴灯護摩(さいとうごま)の炎が仏さまに見えることもあるそうです。
【奈良まほろばソムリエの会 会員 奥田八尋】
■宗派 真言宗醍醐派
■住所 吉野郡天川村洞川494
■電話 0747・64・0001
■交通 近鉄下市口駅からバス「洞川温泉」下車、徒歩5分
■拝観 境内自由
■駐車場 有(無料)
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