やまと百寺めぐり
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第73回 2020年10月15日掲載
コスモス彩る世界遺産  法起寺(斑鳩町)


コスモスに彩られる法起寺の三重塔=斑鳩町で

 606(推古14)年に聖徳太子は、岡本宮で法華経を講話されました。
 聖徳太子の遺命により、山背大兄王がこの岡本宮を寺に改めたのが法起寺(ほうきじ)と伝えられています。638(舒明10)年に弥勒(みろく)像と金堂が造立されました。さらに、706(慶雲3)年に三重塔が建立されましたが、それは、現存する日本最古の三重塔で国宝となっています。
 創建当時の伽藍(がらん)配置は金堂が西、塔が東で、法隆寺とは逆でした。
 奈良時代には栄えていましたが、平安時代以降衰微(すいび)し、鎌倉時代に塔や講堂が修理されたものの、江戸時代に入ると三重塔を残すのみとなりました。
 その後、寺僧らの再興努力により三重塔の修復、講堂の再建、聖天堂が建立され、現在の姿になりました。
 1993(平成5)年には「法隆寺地域の仏教建造物」として法隆寺とともに、日本で最初のユネスコ世界遺産に登録されました。
 秋も深まる頃、寺を取りまく田畑にはコスモスが咲き誇ります。朝の陽光に包まれ、夕日に映えるコスモスを背に浮かび上がる三重塔は、見る者の心を打ちます。いつまでも残しておきたい奈良の景観資産です。
【奈良まほろばソムリエの会理事大江弘幸】



■宗派 聖徳宗
■住所 斑鳩町岡本1873
■電話 0745・75・5559
■交通 JR法隆寺駅からバス「中宮寺前」下車、徒歩約15分もしくは、近鉄筒井駅からバ「ス法起寺口」下車、徒歩約10分
■拝観 8時半~17時(2月22日~11月3日)、8時半~16時半(11月4日?2月21日)、300円
■駐車場 無



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