やまと百寺めぐり
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第83回 2021年01月07日掲載
夜空を焦がす大松明  吉祥草寺(御所市)


燃え上がる大トンド=御所市茅原の吉祥草寺で、2020年1月撮影

 修験道の開祖で、「神変大菩薩(じんべんだいぼさつ)」とも呼ばれる役行者(えんのぎょうじゃ)の生誕地に創建されたと伝わる吉祥草寺(きっしょうそうじ)。寺名にある吉祥草は、釈迦が悟りを開いた時に、菩提(ぼだい)樹の下にこの草を敷いて座したことに由来します。伊豆配流の冤罪が解かれて役行者が故郷の茅原に帰った時、吉祥草の花が咲き乱れたとの伝承があります。
 1月14日の県指定無形民俗文化財「茅原のトンド」で有名です。境内に地元の茅原・玉手の区民によって設置された雌雄一対、2基の大松明(たいまつ)に火を灯すトンドが、修正会(しゅしょうえ)結願(けちがん)の日に左義長(さぎちょう)として行われます。
 注目すべきはその大きさで、高さは6㍍、重さは1㌧以上にもなり、燃え上がる炎の丈を合わせると10㍍を超え、県内最大とされます。
 燃え盛る炎を天に向かって奉納し、感謝報恩と五穀豊穣(ほうじょう)を願うこの大トンド。修験道寺院と農村の行事が結びついた勇壮な大松明、一度見学されてみてはいかがでしょう。(残念ながら2021年は、コロナ禍のため中止となりました)

【奈良まほろばソムリエの会 会員 岡田充弘】


■宗派 本山修験宗
■住所 御所市茅原279
■電話 0745・62・3472
■交通 JR玉手駅から徒歩約5分、または近鉄御所駅からバス「茅原」下車すぐ
■拝観 9~17時、無料
■駐車場 有(無料)



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