やまと百寺めぐり
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第87回 2021年02月11日掲載
往年の大寺院 実感を  大安寺(奈良市)


大安寺の西塔跡に残る心礎=奈良市東九条町で大安寺の西塔跡に残る心礎=奈良市東九条町で

 大安寺は、聖徳太子が創建した熊凝精舎(くまごりしょうじゃ)が始まりと伝えられ、舒明天皇がわが国初の官寺として百済大寺を建立、その後の移転・改名を経て、平城京遷都に伴い現在の地に建立されました。境内面積は15町(約25万平方㍍)と現在の約25倍もある壮大な大伽藍(がらん)でした。旧境内全体が国史跡に指定されています。
 旧境内の北端にあるのが、杉山古墳です。寺から北へ徒歩約5分、毎週火・木・土・日曜日には無料開園されています。5世紀中ごろの前方後円墳で全長110㍍、もとは145㍍あったようです。墳丘に登れば四方に眺望が広がります。古墳内に6基あった瓦窯の1基が復元展示されています。
 南端にあるのが、東西両塔跡です。寺から南へ徒歩約3分、東塔跡には、一辺21㍍の巨大な基壇が復元されています。西塔跡には、割ろうとした痕跡のある直径約2・6㍍の心礎(しんそ)(礎石)が残っています。ここに巨大な七重塔が並び立っていたと想像してみてください。
 大安寺を訪れた際には、杉山古墳と東西両塔跡に足を延ばして、往年の大伽藍を実感してみてはいかがでしょうか。

【奈良まほろばソムリエの会 会員 石田一雄】



■宗派 高野山真言宗
■住所 奈良市大安寺2の18の1
■電話 0742・61・6312
■交通 JR・近鉄奈良駅からバス「大安寺」下車 徒歩約10分
■拝観 9~17時 400円(特別拝観期は500円)
■駐車場 有(無料))



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