日本一長い名前の飛鳥川上坐宇須多岐比売命(あすかかわかみにいますうすたきひめのみこと)神社は、飛鳥川をさかのぼり、稲淵の集落を過ぎた丘陵中腹に鎮座します。
明治時代より入谷(にゅうだに)、畑、稲淵、栢森(かやのもり)の氏神で、延喜式内社です。
約200段の階段を登り切ると正面に拝殿、左方に八幡神社、右方に神功皇后社がありますが、本殿はなく、拝殿後方の南淵山をご神体とする原始信仰の形が残ります。
主祭神の宇須多岐比売命は福岡県の宗像大社にまつられる三女神の一つ、湍津姫命(たぎつひめのみこと)の別名で、当社の南、栢森に位置する神社の祭神、加夜奈留美命(かやなるみのみこと)の母と伝わります。
江戸前期〜明治末まで奈良盆地で広く行われていた雨乞いの行事「なもで踊り」は、多くの神社にその様子を記した絵馬が残り、当社のものは「本なもで」と称されていました。それに沿い保存会が復活させたものが現在の「南無天(なもで)踊り」です。
奈良県出身の映画監督、河瀬直美さんの作品「朱花(はねず)の月」の撮影も当社で行われました。
地元では古くから宇佐八幡と称され、境内には1553(天文22)年の稲淵宇佐八幡の銘を持つ湯釜があります。
(奈良まほろばソムリエの会会員 田村基樹)
(住所)明日香村稲渕698
(祭神)宇須多岐比売命、神功皇后、応神天皇
(交通)奈良交通赤かめ周遊バス石舞台バス停下車奥飛鳥方面徒歩40分
(拝観)境内自由
(駐車場)なし
(電話)なし
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