やまとの神さま
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第170回 2026年08月27日掲載
故郷の思い継ぎ  白屋八幡神社(橿原市)


白屋八幡神社本殿


 橿原市立畝傍中学校の東隣に十数軒が並ぶ住宅地があります。住宅地中央の道の突き当たりに、目に鮮やかな白屋(しらや)八幡神社の社殿が現れます。
 創建は901(延喜元)年で、かつて川上村白屋にありました。義経が矢を奉納したことにちなみ、地名の白谷を白矢(現在は白屋)に改名したという言い伝えもあります。大滝ダム建設による地滑り被害で、白屋地区の住民は集団移転を余儀なくされました。白屋八幡神社も2009年、住民と共にこの地に遷座してきました。
 本殿は入母屋造(いりもやづくり)、檜皮葺(ひわだぶき)、正面に唐破風(からはふ)の屋根がつく重厚な造りで、鉄骨製の覆屋(おおいや)で保護されています。1675(延宝3)年再建の建物をそのまま移築し、描かれていた絵や彫刻を、国宝などの修理と同じ技法で300年前の極彩色の姿に復元しました。
 この神社には宮司を住民が交代で務める宮守(一年神主)の制度があり、宮守は一年間身を清めるための非常に厳しい決まりがありました。
 村人達が力を合わせ長年守ってきた宮守の伝統は、ダム建設に伴う移転で、途絶えることになりました。しかし、白屋八幡神社は、今ここ橿原の地で、白屋の人々の故郷への思いを受け継ぎ、静かに鎮座しています。
(奈良まほろばソムリエの会会員 新森幸枝)


(住所)橿原市石川町158番地の1
(祭神)八幡神(誉田別尊)
(交通)近鉄橿原神宮前駅東口徒歩約20分
(拝観)境内自由
(駐車場)なし
(電話)なし


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