1月も半ばを過ぎると、生駒市の高山を訪れ「竹の寒干し」の写真を撮る人の姿をみかけます。
竹の寒干しは、良質の竹を油ぬきし、1〜2月にかけて円すいのように組み上げ、天日干しにする作業です。整然と並ぶ光景は、高山の冬の風物詩として知られています。
高山の竹を材料として作られるのが「茶筌(ちゃせん)」や「茶道具」などです。これらの竹工芸品は、小刀とやすりを用いて手作業で丹念に作り上げられます。
茶筌は、室町時代の中期に鷹山城主の次男であった宗砌(そうせつ)が、親交のあった奈良の称名寺ゆかりの茶人村田珠光(じゅこう)から製作を頼まれたのが始まりとされています。以後、今日まで脈々と受け継がれ、高山は全国一の茶筌の産地になりました。
また、高山竹林園には珍しい竹や笹(ささ)が約50種類も植えられ、資料館に茶筌の製作実演コーナーもあり、憩いの場としても楽しめます。
■メモ■ 近鉄奈良線富雄駅、または近鉄けいはんな線学研北生駒駅から傍示行きのバスで「上大北」下車、高山竹林園まで徒歩5分。
【奈良まほろばソムリエの会 津山 進】
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