甘樫丘のふもとに鎮座する甘樫坐(あまかしにいます)神社(明日香村)では、毎年4月の第1日曜日に「盟神探湯(くがたち)神事」が行われます。
盟神探湯とは、文字通り「神に盟(ちか)って湯を探る」ことで、熱湯の中に手を入れ「正しき者は火傷(やけど)をせず、偽りし者は火傷あり」という荒っぽい古代の裁判の方法です。「日本書紀」には415年、氏姓(うじかばね)を偽る者が多くなり、氏姓制度の混乱を正すため、甘樫の神前で盟神探湯が行われたと記載されています。
当日は、豊浦・雷(いかづち)両地区の氏子によって、境内にある「立石」の前に釜が据えられ、「盟神探湯神事」が行われます。宮司による神事があり、続いて地元の劇団「時空」により、盟神探湯の様子が寸劇でわかりやすく再現されます。最後に参拝者は笹(ささ)の葉を釜の湯に浸し、うそ・偽りを正し爽やかに暮らせるように祈った後、無病息災のお守りとして持ち帰ります。
【奈良まほろばソムリエの会 露木基勝】
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