「おたいまつ」といえば、毎年3月に行われる東大寺二月堂修二会(しゅにえ)が有名ですが、奈良市にはもうひとつの「おたいまつ」があります。
新薬師寺では、境内に桜が咲く毎年4月8日、通常拝観が終わった午後5時から修二会が行われます。この法要は、本尊薬師如来に、私たちが日頃知らず知らずに犯している罪や過ちを悔い改めると共に、世界平和、国家の繁栄、五穀豊穣などを祈るものです。
午後7時になると、僧が本堂に入る際の道明かりとして、11本のたいまつが先導します。燃え上がる炎がすぐ目の前を通っていくので大迫力です。いつもは閉じられている本堂の3面の扉が開けられ、灯明に照らされた十二神将の姿とたいまつを同時に拝めます。僧侶が入堂した後、一般参拝者も中に入り、声明を拝聴できます。
【奈良まほろばソムリエの会 石田一雄】
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