奈良には日本発祥といわれるものがたくさんありますが、饅頭(まんじゅう)もその一つと言われています。室町時代、中国より来日した林浄因(りんじょういん)は現在の奈良市に住み、日本で初めて小豆あんの入った饅頭を作ったとされています。
林浄因を饅頭の元祖としてまつる林(りん)神社では、毎年4月19日に「饅頭まつり」が行なわれます。いつもは静かな境内も、その日は甘い香りがただよい、にぎわいます。
由緒ある饅頭を今に伝えるお店のひとつが「千代の舎 竹村」です。黒あんには林の文字、白あんには可愛らしい鹿の焼印が押された「奈良饅頭」は、今の時代に合わせながらも、素朴で懐かしい奈良の味です。
林浄因ゆかりの奈良のお饅頭を、歴史に思いをはせながらいただけば、味わいもひとしおです。
【奈良まほろばソムリエの会 山ア愛子】
|