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第15回 2017年04月20日掲載 |
献氷祭 ―― 奈良市の氷室神社 |
神前に供えられた海の幸と川の幸の代表(タイとコイ)の結氷
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暑い夏が今年も近づいてきました。日本書紀には仁徳天皇の時代に氷室(氷の貯蔵庫)が発見され、宮廷へ氷の貢ぎが始まった経緯が書かれています。登場する3柱をまつったのが奈良市春日野町と天理市福住町にある2つの氷室神社です。
奈良市の氷室神社は、平城遷都に際し、御笠山麓(さんろく)の氷室や氷池(製氷施設)の守り神としてまつられました。氷の祭祀は、豊作を祈願するものです。
同神社の献氷祭は5月1日、暑い夏を願い氷業界の繁栄を祈願します。神前にはタイなどの氷柱が供えられます。参拝者にとってうれしいのは一服の涼を感じるかき氷の振る舞いです。
境内では氷みくじを引くことができます。何も書いてないおみくじを備え付けの氷柱に貼ると、文字が浮かび上がります。いにしえの氷の祭祀に思いを馳せてください。
福住の氷室神社では、7月1日に献氷祭が行われます。
【奈良まほろばソムリエの会理事 清水千津子】
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氷に貼ると文字が浮き出る氷みくじ=いずれも奈良市で
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■メモ■
JR・近鉄奈良駅から市内循環バス外回り、氷室神社・国立博物館前下車。
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