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第28回 2017年07月27日掲載
洋風客殿の獅子閣 ―― 生駒市の宝山寺


宝山寺「獅子閣」=いずれも生駒市で

 生駒聖天さんの名で親しまれている生駒市の宝山寺に迎賓館「獅子閣」があります。惣門から階段を上がった踊り場の右奥にある崖造りの建物です。
 明治時代に越後出身の宮大工、吉村松太郎が横浜で西洋建築を学び、1884(明治17)年に完成させた木造洋風建築の客殿で、国の重要文化財に指定されています。
 1階は洋室と和室からなり、洋室の外扉には色ガラスがはめ込まれ、ガラス窓を通して四季の景色が楽しめます。また、2階へ上がる階段はらせん構造で、狂いのない精緻な加工がひときわ目を引きます。
 2階は和室になっており、格(ごう)天井で壁には金紙が貼られています。床の間は黒檀(こくたん)・紫檀(したん)の豪華な造りです。襖(ふすま)絵は山水画と花鳥画で春夏秋冬を表しています。
 2階のベランダの西側からは宝山寺の全景を、南側からは奈良盆地の大パノラマを一望できます。

【奈良まほろばソムリエの会 津山進】



1階洋室から2階へ上がるらせん階段

■メモ■

宝山寺「獅子閣」へは近鉄生駒駅から生駒ケーブルで宝山寺駅下車、徒歩約10分。夏季の公開日は8月毎日曜日。
 
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