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第30回 2017年08月10日掲載
古代築造ロマン楽しむ ―― 奈良市の蛙股池


蛙股池。周辺には緑豊かな美術館のほか、神社、住宅街、小学校がある=いずれも奈良市で

 ため池が多い県内でも蛙股(かえるまた)池は、面積8.6ヘクタールと指折りの規模を誇ります。池の形が社寺建築の部材の一つ、蛙(蟇)股に似ていることから名付けられました。
 丘陵の谷に造られたダム型の池で、日本書紀にある607(推古15)年、大和に築造された四つの池のうちの菅原池とする見解が有力です。堤の高さが15メートルを超えるものがダムとの定義がありますが、奈良市によると、蛙股池は場所により14メートルとも16メートルともされ、ダムと言えるかは微妙ですが、「現存する日本最古のダム」とも呼ばれます
 ほとりには、築造時に池守護のため創建されたという菖蒲(あやめ)池神社が鎮座。近くには大和文華館や中野美術館もあり、美術鑑賞とともに池の景観や古代築造ロマン、若草山や春日山の遠望を楽しむのも一興です。

【奈良まほろばソムリエの会 久門たつお】



菅原道真もまつる菖蒲池神社

■メモ■

蛙股池へは近鉄菖蒲池駅から南へ徒歩約5分。大和文華館、中野美術館へは近鉄学園前駅から南東へ徒歩約10分。
 
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