ため池が多い県内でも蛙股(かえるまた)池は、面積8.6ヘクタールと指折りの規模を誇ります。池の形が社寺建築の部材の一つ、蛙(蟇)股に似ていることから名付けられました。
丘陵の谷に造られたダム型の池で、日本書紀にある607(推古15)年、大和に築造された四つの池のうちの菅原池とする見解が有力です。堤の高さが15メートルを超えるものがダムとの定義がありますが、奈良市によると、蛙股池は場所により14メートルとも16メートルともされ、ダムと言えるかは微妙ですが、「現存する日本最古のダム」とも呼ばれます
ほとりには、築造時に池守護のため創建されたという菖蒲(あやめ)池神社が鎮座。近くには大和文華館や中野美術館もあり、美術鑑賞とともに池の景観や古代築造ロマン、若草山や春日山の遠望を楽しむのも一興です。
【奈良まほろばソムリエの会 久門たつお】
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