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第81回 2018年09月06日掲載
剣豪の息吹にロマン ―― 大和郡山市の荒木又右衞門屋敷跡


又右衞門時代が生きた時代の雰囲気を伝える「黒門」。奥の藤原さん宅の地に又右衞門の屋敷があった=いずれも大和郡山市で

 日本三大仇討ちの一つとされる、1634(寛永11)年の「伊賀越えの仇討ち」で義弟を助太刀する剣豪の荒木又右衞門は、29歳のころから大和郡山藩の藩主、松平忠明の剣術師範役を5年ほど務めていました。又右衞門の屋敷と道場は、大和郡山城南西の外堀に隣接していたといいます。
 その地に少年時代に引っ越し、現在も暮らす藤原昌(あつし)さん(87)によると、「黒門」と呼ばれた又右衞門時代の門はほぼ当時のままだそうです。また、屋敷の一部は半世紀前に建て替えるまでは残っており、玄関の柱には弓に弦を張る時に当ててできた凸凹があったといいます。藤原さんは「又右衞門が付けたものと聞いていましたが、残念ながら残っていません」と話してくれました。
 伊賀で生まれ、仇討ちの4年後に鳥取で享年40で早世した荒木又右衞門。宮本武蔵とも面識があった剣豪が黒門をくぐる姿が目に浮かびます。


【奈良まほろばソムリエの会理事 久門たつお】



門に設置された「荒木又右衞門屋敷跡」の石製標柱

■メモ■

屋敷跡は大和郡山市城南町。近鉄橿原線郡山駅から西へ徒歩約10分。
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