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第90回 2018年11月08日掲載
霊験あらたかな守護神 ―― 大和郡山市の大織冠鎌足神社


大職冠鎌足神社の鳥居=大和郡山市で

 大和郡山市のお城の西に「大職冠(たいしょくかん)」という名前のバス停留所があります。
 「大織冠」は飛鳥時代の冠位の最高位で、藤原鎌足が亡くなる直前に天智天皇から授与されました。この冠位の授与が史上唯一のため、鎌足公の尊称、代名詞となりました。
 1585(天正13)年9月、豊臣秀吉の弟・秀長が郡山城に入城後、多武峯談山(とうのみねたんざん)神社の鎌足公の御神霊を城の西北の地に遷座しました。大織冠宮と呼び城の守護神としてまつり、付近一帯は大織冠と称されました。
 90(天正18)年12月、御神霊は多武峯に帰山され、あらためて御分霊をまつったのが大織冠鎌足神社です。創建当時は東の丘陵地にあったのを、郡山城主の柳沢保光が1789(寛政元)年に移転改築したのが今の神社で、霊験あらたかな神として広く崇拝されてきました。町中に近いですが別世界のように静かな所です。  

■メモ■ 近鉄郡山駅からバスで3分、大職冠バス停下車、西北へ徒歩10分 郡山中学校の西。


【奈良まほろばソムリエの会理事 石田一雄】

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