桜井市高田で毎年12月の第1日曜に「亥(い)の子の暴れ祭」が行われます。村人を見守っている山の神に感謝する祭りで、子供たちが思い切り暴れ回って、元気な姿を山の神に示すという行事です。
祭りは「御仮屋(おかりや)暴れ」から始まります。青竹で作られた御仮屋に吊り下げられた木づち、わらじなどのミニチュアの農具を子どもたちが奪いあいます。続いて御膳を蹴りあげ、茶わんやお椀を蹴り飛ばす「御膳暴れ」です。さらにわら束を祭壇の燈明(とうみょう)に投げつけて火を消し、大人が再び火をつける、またわら束で火を消すという「燈明消し暴れ」が行われます。
元気に子供たちが暴れるほど山の神が喜ぶとされ、子供たちはこの時ばかりと大暴れです。村人はその姿を見て、1年の無事と豊作を感謝し、新年の準備を始めるのです。今年は12月2日、午後2時から高田集荷場で実施されます。
【奈良まほろぼソムリエの会副理事長 雑賀耕三郎】
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