生駒聖天の名で親しまれている宝山寺は聖天堂に「歓喜天」をまつり、大鳥居が建っています。毎年、迎春準備として大鳥居の大しめ縄が新調される「大鳥居大注連縄奉納会(おおとりいおおしめなわほうのうえ)」が行われます。20年以上続く行事で、歓喜天のご縁日である12月16日午前10時ごろから行われます。
しめ縄は生駒山で採れたもち米のわらを使って、寺の奉仕団体「宝山寺青年会」が丹念に作り上げていきます。長さ6.5b、重さ400`と巨大です。住職の読経のもと、輪袈裟をつけた縁者がしめ縄につないだ数本のロープを、「六根清浄ソーレ」と掛け声にあわせて引っぱり、つり上げていきます。「六根」とは眼(げん)・耳(に)・鼻(び)・舌(ぜつ)・身(しん)・意(い)の6種の感覚のことです。山伏がかけ念仏として「六根清浄」と唱えることが知られています。
奉納会の最後に散華がまかれお餅がふるまわれます。「大根炊き」の行事と併せて、宝山寺の冬の風物詩です。
【奈良まほろぼソムリエの会 津山進】
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