清酒の原型は室町時代の嘉吉年間(1441~44)、奈良市菩提山(ぼだいせん)町の正暦寺(しょうりゃくじ)で初めて造られました。ここで創案された「菩提?(もと)」は、現在の酒母(酵母を大量に含むアルコール発酵のもと)の原型です。
麹用(こうじ)の米と蒸し米の両方に精白米を使う「諸白(もろはく)造り」も、この寺で始まりました。
「菩提?造り」は長い間廃れていましたが、ちょうど20年前の1998(平成10)年、奈良県菩提?による清酒製造研究会がこれを復活。毎年1月上旬には正暦寺で菩提?清酒祭が行われ、ここの酒母を酒造メーカーが持ち帰ってお酒に仕上げます。
そのため正暦寺は全国の寺で初めて「酒母製造免許」を取得しました。来年の清酒祭は1月12日です。
【奈良まほろばソムリエの会 専務理事 鉄田憲男】
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