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第94回 2018年12月06日掲載
菩提?清酒祭 ―― 奈良市の正暦寺


今年1月の菩提?清酒祭=いずれも奈良市で

 清酒の原型は室町時代の嘉吉年間(1441~44)、奈良市菩提山(ぼだいせん)町の正暦寺(しょうりゃくじ)で初めて造られました。ここで創案された「菩提?(もと)」は、現在の酒母(酵母を大量に含むアルコール発酵のもと)の原型です。
 麹用(こうじ)の米と蒸し米の両方に精白米を使う「諸白(もろはく)造り」も、この寺で始まりました。
 「菩提?造り」は長い間廃れていましたが、ちょうど20年前の1998(平成10)年、奈良県菩提?による清酒製造研究会がこれを復活。毎年1月上旬には正暦寺で菩提?清酒祭が行われ、ここの酒母を酒造メーカーが持ち帰ってお酒に仕上げます。
 そのため正暦寺は全国の寺で初めて「酒母製造免許」を取得しました。来年の清酒祭は1月12日です。

【奈良まほろばソムリエの会 専務理事 鉄田憲男】



境内には「日本清酒発祥之地」の碑が建つ

■メモ■

西名阪自動車道天理インターチェンジから国道169号を奈良方面に北上。約10分走り窪之庄南交差点(右脇に正暦寺の看板)を山側に右折し、道なりに4㌔。紅葉の季節以外はバスの運行がありません。車かタクシーをご利用ください。
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