橿原神宮(橿原市)は、大和三山の一つ、畝傍山のふもとに鎮座しています。祭神は第一代・神武天皇と媛蹈?五十鈴媛(ひめたたらいすずひめ)皇后です。
「日本書紀」によると、神武天皇は橿原宮で即位したとされます。このため民間有志が「神武天皇の御聖徳を後世に残したい」と請願し、感銘を受けた明治天皇が元京都御所の内侍所(ないしどころ)(賢所(かしこどころ))と神嘉殿(しんかでん)を下賜(かし)され、移築して1890(明治23)年、格式が高い官幣大社として創建されました。
内侍所だった本殿は1855(安政2)年の建物で、国重要文化財。神嘉殿は今の神楽殿です。
現在の境内は約53万平方メートルで、阪神甲子園球場の約13個分の広さ。畝傍山を挟んだ北側には神武天皇陵があります。
橿原神宮で最も重要な祭典は、毎年2月11日(建国記念の日)の「紀元祭」です。勅使(天皇が派遣する使者)を迎え、厳粛に執り行われます。
初詣には毎年100万人以上が訪れますが、玉砂利を敷き詰めた外拝殿前の広場で、ひときわ目を引くのは大絵馬。高さ4・5メートル、幅5・4メートルで、通常の絵馬の約1600倍の大きさです。
祈祷(きとう)殿(車両祓(はら)い所)から外拝殿まで砂利道の横に舗装道路が整備され、車椅子でも快適に参拝できます。
奈良まほろばソムリエの会会員 磯村洋一)
(住所)橿原市久米町934
(祭神)神武天皇、媛蹈?五十鈴媛(ひめたたらいすずひめ)皇后
(交通)近鉄橿原神宮前駅から約10分
(拝観)境内自由。宝物館は来年5月12日までの特別展は700円
(駐車場)普通車500円など
(電話)0744・22・3271
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