やまとの神さま
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第73回 2024年02月08日掲載
蘇我氏の始祖を祭る  宗我坐宗我都比古神社(橿原市)


宗我坐宗我都比古神社の拝殿=橿原市で

 飛鳥時代に活躍した豪族、蘇我氏の始祖を祭る宗我坐宗我都比古(そがにますそがつひこ)神社(橿原市)は、蘇我氏の本拠地として有力な曽我町に鎮座します。この周辺の古名は「蘇我」だったとも伝わります。
 社伝によると、大和朝廷初期に活躍した武内宿禰(たけのうちのすくね)の第3子、石川宿禰(いしかわのすくね)が大阪河内から移り、姓を蘇我と名乗ったとされます。推古天皇(在位592〜628年)の時代に大臣の蘇我馬子(そがのうまこ)が社殿を造営し、石川宿禰夫妻を祭ったのが神社の起源とされ、祭神は石川宿禰夫妻の宗我都比古大神(そがつひこおおかみ)と宗我都比売大神(そがつひめおおかみ)です。南東約1・5キロの橿原市小綱町(しょうこちょう)には馬子の孫、入鹿(いるか)を祭る「入鹿神社」もあり、「蘇我氏ゆかりの2社」として知られています。
 645年の乙巳(いっし)の変で入鹿が殺害され、父蝦夷(えみし)も自殺し、蘇我氏の本宗家は滅亡しました。しかし、分家はその後も要職に就き、のちに宗我(そが)(蘇我)姓を名乗り、現在、子孫が神官を務めます。
 また、祭祀(さいし)組織として一族は「宗我座」を、地域住民は「神町(しんまち)座」「宮座」「宮元座」を作り、今も秋祭り(10月中旬)の祭事の一部を担います。祈年祭(御田祭)は2月中旬、御例祭は10月6日に行われ、本神社は地元から「曽我ンさん」と呼ばれ、親しまれています。

(奈良まほろばソムリエの会会員 田村基樹)


(住所)橿原市曽我町1196
(祭神)宗我都比古大神、宗我都比売大神
(神官)蘇我氏の子孫
(交通)近鉄真菅駅から南西すぐ
(拝観)境内自由
(駐車場)あり(無料)
(電話)0744・22・6058

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