やまとの神さま
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第89回 2024年07月04日掲載
ガラス原料・硅石がご神体  劔主神社(宇陀市)


剱主神社の正面=奈良県宇陀市で

 劔主(つるぎぬし)神社は宇陀市大宇陀宮奥(元中宮奥)に鎮座しています。古くから「白石(しらいし)明神」と称し、ガラス原料の硅石(けいせき)からなる白石群をご神体としてお祭りしています。創立の年代や祭神はよくわかっていません。神社の石灯籠(いしとうろう)に刻まれた年が貞享3(1686)年であることや、倒木のおそれのあった境内の杉を切ると400近い年輪があったことから江戸時代に造営されたと思われます。
 瑞垣(みずがき)に囲まれた本殿の後方及び西側に大きな白石が鎮座し、西側の前方の石は1メートル、後方の石は本殿の石とつながり、3メートルほどの大きさの石が地面から出ています。
 さらに本殿の西北約500メートルの山上には、白い巨岩がそびえ立っていて、その中の最も高い所にある巨石(幅が7〜8メートル、高さが5メートルほど)が磐座(いわくら)(神が宿る石)として祭られ、奥宮と称されています。
 この磐座のある山上と神社の間の山の背は「明神の尾」と呼ばれていて、例祭にはここを通り、奥宮に参拝参籠(さんぱいさんろう)(ある期間こもって祈願)することが慣例となっていました。しかし、近年は神社で神事が執り行われています。
 なお宇陀市内には、下宮奥と半阪に同名の「劔主神社」があります。
(奈良まほろばソムリエの会副理事長 松浦文子)


(住所)宇陀市大宇陀宮奥116
(祭神)不詳
(交通)近鉄榛原駅から奈良交通バス「大宇陀」行きで終点へ。南西へ徒歩約50分
(拝観)拝観自由
(駐車場)なし
(電話)なし




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