「矢田のお地蔵さん」として親しまれている矢田寺(金剛山寺こんごうせんじ)は、 城下町・郡山から西へ3.5キロメートル、矢田山の中腹にあり、 日本最古の延命地蔵菩薩像を安置しています。
約1300年前、大海人皇子(後の天武天皇)が、壬申の乱の戦勝祈願のため矢田山に登り、即位後の白鳳4年(664)智通僧上に命じ、七堂伽欄48坊を造営したのがはじまりといわれています。
その後、弘仁年間に満米上人により地蔵菩薩が安置されて以来、地蔵信仰の中心地として栄えてきました。たくさんの石のお地蔵さまに迎えられ、眼下には奈良盆地が伸びやかに広がります。
本堂は江戸時代の建築(県指定文化財)で、中央の厨子内には本尊の木造地蔵菩薩立像(平安時代・重文)に木造十一面観音立像(奈良時代・重文)と吉祥天女立像(室町時代)を加えた等身大の三尊を安置し、左右に二天像(奈良時代)を配しています。
境内には約60種1万株のアジサイが咲き誇るところから「アジサイ寺」の別名があり、6月上旬からさまざまに色を変え咲き始めます。また、6月1日〜6月30日は本堂の特別拝観もできますので、あわせてお楽しみください。
【奈良まほろばソムリエの会 水間 充】
■宗派 高野山真言宗
■住所 大和郡山市矢田町3506
■電話 0743-53-1445
■交通 近鉄郡山駅からバス「矢田寺」下車 徒歩約10分
■拝観 9時〜17時 アジサイ開花期500円、本堂特別拝観500円
■駐車場 有(100〜500円)
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